真夜中にわき上がるハレルヤ

無軌道という方向性

腸内細菌は筋肉の成長にも関係している 生物の健康は微生物が支配しているのか

https://www.sciencedaily.com/releases/201

www.sciencedaily.com

9/09/190910095415.htm

 

 サイエンスデイリーによると、国際的な研究チームが腸内細菌と筋肉の成長に繋がりがある証拠を発見したようです。

 研究者の話では加齢に伴う筋力の低下への対策に期待されているようですが、応用範囲はもっと広いはずです。スポーツ全般にもかかわってくることですし、さらに研究が進めば、一般のとりあえず健康の範囲内に収まっている人にも十分関係のある話だと思います。細菌の研究では微生物の重要性がわかってきていますが、筋肉の成長にまで影響するのですから、生物の健康は微生物が支配しているのかもしれません。

 

 シンガポールスウェーデン、スイス、シンガポール、フランス、イギリス、アメリカ、オーストラリアの研究チームは、ネズミに強さと動き関連する運動をさせた実験で、通常の研究室にいるネズミのほうが腸内細菌を持たない無菌のネズミより、強い骨格筋を持っていたことを発見した。

 

 人間を含むすべての種には、無数の微生物種が体内に住んでいる。これら腸を覆う微生物は代謝や免疫機能になどで大きな役割を果たしている。


 国際的研究チームが、研究室にいる通常のネズミから採取した腸内細菌を無菌ネズミに移植したとき、腸内細菌と骨格筋の繋がりを示す証拠が強化された。筋肉の成長と機能が移植後部分的に回復したのだ。

 

 この発見は、腸内微生物の変えることで加齢によっておこる骨格筋の減少に取り組む新たな可能性を示している。

 

 この研究は7月に科学トランスレーショナル医学に掲載された。
筋肉の成長と神経筋コミュニケーションの形成に関連する重要な研究に道を開いた。


 この研究を率いた南洋理工大学リー・コン・チェン医学校のスヴェンピーターソン教授は次のように語った。
「今回の研究結果は、微生物が人間の健康にとって決定的な管理者の役割を果たしている証拠をさらにつよめるものです。加齢にともなう筋肉量の維持に新しい見識を提供してくれました。
健康に歳を重ねることはシンガポールの老年人口の健康管理のゴールです。この結果はとても励みになります。
微生物とその代謝物が、高齢者の骨格筋の強さを改善するのどのようにターゲットになるのかを評価するためのこの先の研究のための基礎を築いたのです。シンガポールのような国は急速に高齢化していますから。」


神経と筋肉のやり取りに関する新たな洞察


 研究は微生物と、神経と筋肉の情報伝達との繋がりにも光を当てた。


 無菌のネズミは、神経筋接合部の組み立てと機能に欠かせないカギとなるタンパク質が少なかった。神経筋接合部は、運動神経細胞と骨格筋繊維がやりとりをするための、化学構造だ。これらの機能が筋肉繊維に信号を送り、筋肉を収縮させるのだ。

 

 腸内細菌を移植したことで、無菌ネズミは、いくらか腸内細菌を持つネズミで見られるレベルまで、カギとなるタンパク質の発現が回復した。


 「無菌のネズミがなぜ、筋肉が萎縮し、神経筋接合部での機能不全を起こすのかというメカニズムと確かめるためには、まだ研究が必要ですが、ここに提示された結果によって、筋肉の成長と神経筋コミュニケーションの形成に関して、未来の重要で興味深い研究が可能になります。」とピーターソン教授は語った。

 

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 pixabay,Łukasz Dyłka

 


骨格筋のメカニズムを理解する


 ピーターソン教授とチームは骨格筋量と筋萎縮への腸内細菌の影響力を研究するために、腸内細菌を持つネズミと、持たないネズミ(腸内細菌の痕跡のない)3セットの運動エクササイズを行った。

 

 おもりを使ったテストでは、ネズミが26グラムのおもりを3秒持てるかをテストし、
持つことができればさらに重い重りをつかって、33グラムから100グラムまでの5段階の重りでテストした。

 

 開放環境での1時間のネズミの総歩行距離や、後ろ足で立っている時間も計測した。

 

 また、ネズミは分速0メートルから15メートルまで徐々に速度を上げるランニングで走らされ、その後速度が一定に維持された。


 研究チームは骨格筋量の現象と、筋萎縮に関連する遺伝子発現の増加に加えて、無菌ネズミの骨格筋は新しいミトコンドリアの生成と機能に問題があった。
ミトコンドリアの機能は、栄養素を分解し細胞の活動に必要なエネルギーをつくりだすことだ。

 

 無菌ネズミに腸内細菌を移植すると筋肉が成長し、機能が部分的に回復し、筋萎縮のサインも減少した。

 

 この研究はピーターソン教授の先の研究、腸内細菌が脳の成長に与える影響、血液脳関門の完全性、不安と恐怖に関連する全体的挙動に基づいている。

 

 シンガポール科学技術研究庁で微生物学の教授を務める、ワン・ユエ氏は、研究には関わっていないが、次のように語った。
「この研究が、科学者と臨床医にとって、微生物叢の構成と人の骨格筋の状態の関係を調査する良い刺激になるでしょう。」と話している。

 

 シンガポール科学技術研究庁、分子・細胞生物学研究所所長は

「この方向の研究は腸内の微生物調整することで、筋肉量や強さや機能を改善する優れた方法の発見につながるのではないでしょうか。
こういった方法は筋肉に関する健康問題に広く応用されることが期待されています。
大きな可能性を秘めた分野は、サルコペリア(加齢による筋肉量と筋力の低下)を遅らせるまたは、逆転させる分野です。」
と語った。

 

 


人間においては、何をすれば、筋肉の成長に良い影響のある腸内細菌を取り得れられるのか?や現在、どの程度筋肉に影響を与えているのか。は書かれていないので個人で応用することはまだできません。ただお腹の調子が良くないのであれば、おそらく筋肉にもあまり良い影響はないだろうことは予想できます。